INTRODUCTION EXAMPLE
シンコー 株式会社
国産オフコンの移行先に IBMi+ SOFLAⅡ を選択
■2030年問題の解決 一般的なERPパッケージでは不安
■業務コンサルは不要 開発ベンダーと導いた社内業務イノベーション
■ECサイト・ペーパーレス化・脱エクセル 総デジタル化を基幹再構築を機に実現
| 本社 | 愛知県名古屋市中川区 |
|---|---|
| 設立 | 1966 (昭和41) 年5月 |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 国内90名 + 中国40名 |
| 営業種目 | 椅子張り材の企画・加工販売 |
| URL | https://www.sincol-n.co.jp/ |
シンコー株式会社は名古屋市中川区で椅子・チェアー・ソファ・カウチ・ベッド等「“すわる”と“ねる”」資材の企画・加工・製造・販売を行う企業である。 昭和41年の創業以来「椅子張り生地」のプロフェッショナルとして、摩擦や乾燥による劣化に強い素材や紫外線による色褪せしにくい素材を厳選して提案し、より快適で耐久性にすぐれた商品を研究し展開している。
同社では、次世代のDX化に向けて大規模な新基幹システム構築プロジェクトを遂行し、2年でプログラム本数839本から成るシステムを本番稼働した。(図表1) そこには、ソフラのコンサルテーションとSOFLAⅡiの基幹システム、ソフラクラウドによるインフラも含めた業務改善が実現し、目に見える効果が現れている。

オフコンの終焉と2030年問題の課題
移行先に選んだのは IBMi+ SOFLAⅡ
40年来のオフコンユーザーであった同社は、メーカーの2030年迄の完全撤退の発表をきっかけに、新基幹システム構築プロジェクトを社長の肝入りでスタートした。 「40年間オリジナルシステムが稼働してきたという事もあり、現場も慣れ親しんだシステムでした。DXレポートが発表されて間もない頃、どういう方向性が良いのか本当に悩みました。 COBOLコンバートだけでは費用に見合う効果に乏しい、しかしオープン系ERPパッケージでは汎用性やセキュリティ面に不安が残る。」と当時の電算課 課長の前田常吉氏(以下、前田氏)は振り返る。そこで思い出したのが、当時何度か営業に訪れていたソフラだった。 将来のロードマップを開示し継続投資を続けるIBMi サーバーと、オープン系と遜色ない『SOFLAⅡi』のデモを見て、前田氏は柔軟性を兼ね備えた仕組みがこれで構築できると確信したという。
2021年4月、新基幹システム『SINVOLVE(シンボル)』プロジェクトが本格始動した。基幹となる販売管理システム、自動倉庫システムとの連携、グループ各社とのEC連携、縫製工場での加工業務のシステム化、周辺業務も含めた全面統合システムだ。 『SINVOLVE』について管理本部 電算課 課長の佐野元彦氏(以下、佐野氏)は「社長から『REVOLVE』=回転や前進する言葉 を使って名前を付けたいというキーワードをもらい、シンコーの『SIN』と掛け合わせ、回転しながら新しく進化するという意味合いにしました。」
コンサルを入れず開発ベンダーと共に
すべての業務の洗い出しと見える化からスタート
『SINVOLVE』で第一に取り組んだのは、社内業務の整理と見える化だ。開発ベンダーであるソフラと共に社内からサプライチェーンに渡る全業務を洗い出し、業務フローにまとめ見える化を行った。コンサルは一切入れていない。
「ソフラ社は長年SI畑でシステム開発をやってこられているからかさすがの知識量に感心しました。理解力も高く、我々が気付かない所まで深耕してくれてスムーズに上流工程を進められました。」と前田氏。
長年慣れ親しんだ自社のオリジナルシステムからERPパッケージに乗せ換えても今一つ現場に馴染めなかったり、コンバートで新しいプラットフォームに切り替えてもコストに見合うイノベーションが実現しなかったり、という話も聞く。その中で同社は30年前の設計を1から見直し、将来に向けた新しいDB設計と新しい自社オリジナルの業務フローを確立した。
「今回の業務整理で、長年培った自社の強みの部分は残しつつ、ソフラ社の助言を基に最新の業務フローも取り入れ改善していけたのが成功につながったと思います。」と、現電算課の責任者を務める佐野氏も続ける。
『SINVOLVE』で実現した業務イノベーション
ここからは『SINVOLVE』で実現したイノベーションの一部分を紹介しよう。
基幹システム内でワークフロー(紙運用を撤廃)
主要仕入先である関連会社シンコールマテリアル社とのやり取りは旧態依然とした紙運用が中心であった。在庫確保を行う場合の売止依頼(一般的な在庫取置指示)を紙ベースで行っていた。
『SINVOLVE』システム(以下、新システム)では、シンコールマテリアル社とデータをリアルタイムに連携した。また、新規取引先マスタ登録等の申請業務も、紙の申請から新システムのワークフローを実装しペーパーレス化した。
「業務フローの整理と同時に社内のペーパーレス化が急速に進みました。」と佐野氏。
属人化業務の撤廃
生地の色合いや質感を実感するため、同社ではB5サイズのサンプル生地をお客様に提供する事がある。その際生地の裏側に商品コードを直接、または貼りつけたメモに手書きし提供していた。
種類が多岐に渡るため属人化され、生地によっては文字が読み辛いなどの問題も発生していたが、新システムではSOFLAⅡiのきめ細かな帳票対応でシステムからのラベル発行が可能となった。
「属人化した業務が撤廃されて、誰でも運用可能な状態に改善できました。」と前田氏。
業務の効率化(先日付伝票処理)
同社の出荷は自動倉庫とリアルタイム連携で自動出荷する仕組みだ。ところが先日付の受発注伝票においても即座に物流倉庫へ指示書が発行されるため、営業アシスタントが暗黙の了解で入力をコントロールし「先日付を入力しない」運用となっていた。
そこを新システムで制御できるよう改良し先日付も気にせず入力が可能となり大幅に業務改善した。
業務の効率化(仕入検収)
毎月の大量の仕入のチェックも同社の課題の1つであった。
人が紙に出力して目検チェックして照合を行っていたものを、新システムでは「日付」「商品名称」などで検索して照合し、システム内で検収できるよう改善した。データに間違いがあった場合も、以前は電算課で都度修正していたが、新システムでは現場で直せるように改善した。
データ分析/活用の進化
以前のシステムではデータを取出し活用する事が難しく、その度に電算課がエクセル化を行っていた。今回の新システムの照会画面は「グリッド」と呼ぶ表示形式で、そこからエクセル化が簡単に行えるようになり、パソコンに不慣れであってもデータの活用が可能な環境が揃ったようだ。(図表2)
以前からプログラム開発も行っている前田氏は、新システム稼働後にCOBOLプログラムからOpenライクな画面を作成し、現場で高評価を得たという。(図表3)
「現場で簡単自由に活用できるようになった事が一番の高評価でした。」と前田氏、佐野氏は口を揃える。
ECサイトを「Web Access Plus」で低コストで構築
同社では全国10数社のグループ会社からオーダーを受けて切断・加工・出荷の一連の業務も担う。以前からWebサーバーで在庫照会ができる仕組みを構築していたが、別データベースで在庫情報のリアルタイム化に難が見られた。
新システムではSOFLAⅡiのオプションツールである「Web Access Plus」で基幹システムとダイレクトに連携する仕組みを構築した(図表4)。SOFLAⅡiの基幹システム画面をHTMLに自動変換し、そのままWebで動かすことができる画期的なツールだ。
新ECサイトの稼働で、在庫情報の閲覧・納期回答・売止確保(在庫取置)・出荷状況照会等がリアルタイム化した。サプライチェーンの効率向上・DX化の一躍を担ったといえる。
図表4:ECサイト画面(Web Access Plusで構築した画面)
次なるDX化は生成AIを業務システムに活用
今回の『SINVOLVE』の稼働で、同社における業務改善、ペーパーレスは急速に進んだといえよう。前田氏と佐野氏は、同社の次なるDXについて「社長は生成AIの活用をうまく業務システムで出来ないだろうかと将来を構想している。」という。例えば音声で該当商品を探せるような機能もあるのかもしれない。
生成AIを活用した新たな『SINVOLVE』の稼働が待ち遠しい。